
開業当初、Synth Flingには10種類以上のフレーバーがありました。2011年の春にそれを3種類に絞りました。売上が一時下がり、常連のお客さまに驚かれました。それでも続けた理由と、その後に起きたことを振り返ります。
01 種類が豊富であることに伴う問題
開業から7年間、フレーバーを増やし続けました。新しいものを試すのは楽しかったし、お客さまの反応も悪くなかった。ただ、毎日の仕込みが複雑になるにつれて、生地の質が安定しなくなっていきました。
在庫の管理も難しくなりました。売れ残ったドーナツは翌日に持ち越さないため、廃棄が増えました。10種類以上を毎日揚げると、どれかが余る。その余りを減らすために仕込み量を減らすと、人気のフレーバーが早く売り切れる。このサイクルが続いていました。
02 フレーバーを3種類に絞った直後に起こった変化
2011年の春に3種類に絞ったとき、最初の1か月は売上が下がりました。「あのフレーバーはもうないの?」と聞かれることも多かった。それでも、仕込みに集中できるようになったことで、生地の質が安定し始めました。
3か月後から、常連のお客さまが増え始めました。「種類が減ったのに、なぜかまた来たくなる」と言ってくれた方がいました。その言葉が、今のやり方を続ける理由になっています。
03 現在も3種類を継続している理由
フレーバーを絞ることで、毎日の仕込みに集中できます。同じものを毎日作るからこそ、配合のブレが少なくなる。季節限定を少量だけ加えることはありますが、常時のラインナップは3種類のままです。
種類を増やすことは、いつでもできます。ただ、増やすことで失うものもある。今はそのバランスを保つことを優先しています。
この決断が正しかったかどうかは、今も完全には分かりません。ただ、22年続けてこられたのは、あのときに絞ったことが大きかったと思っています。